連合高知は4月7日、労働者保護ルール改悪を許さない闘いに向けた学習会を開催した。この学習会に参加した78名の連合組合員は、安倍政権が進める成長戦略に託けた人材ビジネス〜労働法制改悪(労働時間規制の見直し、労働条件の不利益変更規制の緩和、解雇規制の緩和、ジョブ型正社員、労働者派遣法の改悪)の問題点に聞き入った。
講師の新谷信幸 連合総合労働局長は、「労働法制に関わる諸会議に労働者代表が入っておらず、労働法制改悪を主張する使用者のみで“解雇”の話を進めている」としながら、「公労使の三者構成で労働者に関わるルールをつくることがILO(国際労働機関)の世界標準ルールだ」と、審議の進め方に問題があることを指摘。
また、具体的な労働法制の問題では、“解雇の金銭解決”について「金を払うから自由に解雇させてくれなどという解雇ルールは世界に存在しない。解雇には合理的理由が必要というのが世界的なルールだ」と説明したうえで、「これが認められるならば、集団的労使関係が壊れる(組合弾圧)。組合は解雇規制の緩和に対してゼネストを打つ覚悟で止めなければ大変なことになる」と改悪阻止に向けた行動の重要性を訴えた。
“限定正社員”の問題については「多元的な働き方と称して、解雇しやすい正社員という新しいカテゴリーをつくろうとしている。これは、“整理解雇の4要件”があるために解雇しにくい正社員を解雇しやすい限定正社員に落とし込めようとしていることから問題だ」と述べた。
“労働者派遣法”をめぐっては「派遣労働者は使用者責任があいまいであることがそもそもの問題。連合は、“常用代替禁止と均等待遇”が世界の標準ルールだと主張しているが、今進められているものはこれが抜けたままの法改悪だ」と問題点を浮き彫りにしたうえで、「これが通れば大多数の正社員が賃金の安い派遣労働者に置きかえられていく。だからこれは派遣労働者のみならず、正社員も含めた雇用労働者全体の問題であり、連合に突きつけられた刃だ。誰もが安心して働ける社会をめざす連合運動の成熟度が問われている」と連合の気構えを強調しながら運動の取り組みを求めた。