連合高知30周年記念行事「記念講演」

生きてることに意味がある

 連合高知は、30周年記念行事の一環として高知県労福協と共催で「助けてと言える社会へ〜無縁社会と家族機能〜」と題する記念講演を1月18日、高知会館でおこなった。
 この講演では北九州市で生活困窮者自立支援活動をしている奥田知志 NPO法人抱樸理事長を講師に、共生地域の創造に向けた家族機能の社会化の必要性について提起を受けた。
 講師は、ひきこもりや社会的孤立といったことが社会問題としていわれる現代にあって、「わたしたちは“生きていることに意味がある”というところまで戻って考えていかなければならないのではないか」と問いかけたうえで、NPO法人抱樸の成り立ちと取り組みの経過を語りながら、「他者との関係の重要性」や「ハウスレスは生活困窮状態だがホームレスは帰るところがないという社会的孤立の状態。生活環境から社会的孤立の状態に陥り、それがまた生活環境を悪化させるといった負のスパイラルを断ち切る支援が必要だ」と述べた。その具体的な取り組みとして、経験を交えながら「自己責任という風潮が強まる中で、人と関わることで生きる意味付けを見出すことや、人に頼って生きることが大事だ。そのためには家族機能の社会化が今の社会には必要だ」と共生社会に向けた課題を語った。
 会場からは、「生活困窮者への居住支援の進め方」や「行政のかかわり方」などの質問が出された。これについて講師は「居住支援については、貸主を安心させるために、困窮者に対する社会的な家族機能が大事になる。行政のかかわりに関しては、すべてを国家に任せるのはいかがかと思うが、NPOを含めてそれぞれに役割がある」と答えた。