本日5月1日は、第91回目となるメーデーの日。
日本のメーデーは、いまから100年前の1920年5月1日、東京上野ではじめて開催された。この祭典では、当時、大きな課題であった「失業の防止」や、生活を守るための「最低賃金法制定」などが訴えられた。
翻っていま、新型コロナウイルス感染症の果てしのない拡大によって、経済と社会が世界的規模で深刻な状態に陥っている。これにより、日本の労働者はもとより世界の労働者が失業と生活困窮に直面している。中でも、短期・有期・契約・派遣などいわゆる非正規労働者や外国人労働者、日雇い労働者、そして、フリーランスといわれる委託労働者たちは、ギリギリの生活状態にあり、その対策は待ったなしである。
感染症の拡大によって、数多くの会社が経営難に陥っていることは紛れもない事実ではある。だからといって、パート・有期・契約などいわゆる非正規労働者や外国人労働者などが簡単に解雇されたり、不本意な雇止めや契約解除になることは、決して許されない。ましてや、すべての生活者は社会から疎外されることなど絶対にあってはならない。
したがって、わたしたちは現在、連合本部と連携して「正規・非正規労働者、外国人労働者を問わず、すべての労働者の雇用を維持するとともに、生活困窮者・高齢者・障がい者などすべての生活者を支援すること」、そして、「中小・零細企業支援を含めた真に実効性のある経済対策の実施」を政府に求めているところだ。
すべての労働者のみなさん!こうした厳しい社会状況に直面しているからこそ、わたしたち労働者・生活者は、決して“使い捨てのモノ”ではないことをこのメーデー100年の節目にあたり、改めてお互いが確認し合おうではありませんか!
そのうえで、労働者の切実な要求を掲げてきたメーデーの歴史を踏まえながら、いまこそ、「すべての労働者の雇用と、すべてのひとの生活を支える経済対策」を、わたしたちといっしょに政府や行政に求めていきましょう。
そして、新型コロナウイルスの恐怖に脅かされているいまこそ、いわれなきデマや差別、予断と偏見、誹謗・中傷を排して、万国の労働者と団結してこの難局を乗り越えよう!
2020年5月1日
《第91回メーデー高知県中央大会 メーデー宣言》
本日、私たちは100年を迎える91回目のメーデー高知県中央大会を前例のない形で迎えた。
メーデーは、1886年に米国の労働者が1日8時間労働を求めてゼネストに起ち上がったことを起源としている。日本では、1920年5月2日に第1回メーデーが開催され、戦争などで一時禁止に追い込まれたものの、第二次世界大戦後には力強く復活し、働く者の団結と連帯を通じて、労働者の地位や労働条件の向上、人権・労働基本権の確立などに深く貢献してきた。
そして今年、メーデーは100年を迎える。この100年の節目にあたり、メーデーの原点に立って、その果たしてきた役割を振り返るとともに、改めてすべての仲間が団結・連帯することの大切さを再認識し、次の時代へと引き継いでいこう。
世界は今、新型コロナウイルスの恐怖に脅かされている。社会や経済、そして私たちの雇用や働き方などに深刻な影響を及ぼしている。しかし、そのような厳しい状況の中にあっても、人々の命と健康を守り、社会や経済を維持するために懸命に働き続けている方々の存在と頑張りについて改めて全体で認識し、ともにこの困難を乗り越えていこうではないか。
私たちは感染症の一刻も早い終息とともに日々の平穏な日常生活が取り戻せることを願いながら、メーデーの精神を共有し、働く者や生活者の立場からすべての仲間の力を結集して、この極めて厳しい未曽有の難局を乗り越えるために、労働組合としての社会的役割を果たしていかなければならない。
今こそ連合高知は、この経験を通じて社会の変革を促し、私たちが掲げる誰一人取り残されることのない公正な社会の実現、平和・人権・環境が守られ、誰もが笑顔のあふれる未来を構築できるよう全力を挙げて取り組むことをここに宣言する。
2020年4月29日
第91回メーデー高知県中央大会