連合高知2015年男女平等参画推進フォーラム

連合高知は6月20日、高知サンライズホテルで2015年男女平等参画推進フォーラムを開催した。今年のフォーラムでは、講師に高知市出身の助産師で「NPO法人いのちの応援舎」代表 山本文子さんを迎え、「いのちの輝くために」をテーマにして講演をいただいた。フォーラムに参加した男女約80名は講師の「“生”を受けたすばらしさ」を語る熱弁に聞き入った。
山本さんは、「中学生・高校生を相手にした私の講演では、必ず“性”の問題から始める。それは、“性”という字は“心が生きる”と書く。だから、生きるということは性を大切にすることであり、性教育はいのちの教育だ」と、一般的には避けて通る性の大切さを述べた。さらに、「中絶を求めて病院に訪れた高校生カップルに、性(生)の大切さを教えた」経験をもとに、「両親の愛情を受けてこの世に生を授かったことに感謝しながら、いのちを大切にすること、そして、今を大切に生きる」という“いのちの輝き”のすばらしさを切々と語りかけた。
また、山本さんのこうした性教育を中心にした「いのち」の大切さを語る講演に対して、数多くのパッシングがあったこと。さらに、そうした誹謗中傷の中で、生業である助産師と講演活動の二者択一を迫られた時、講演を聞いた方からもらった一葉のはがきが人生の転機となったことを披歴した。そのはがきには「あなたの講演は“いのちの応援舎”だ」と書かれており、「これを見たとき自分の選択肢が決まった。いのちを輝かせる老人介護施設をやろうと決めた」と述懐した。これは、「昔はじいさん、ばあさん、親、子どもはもとより、地域が大きな家族としてあって、お互い助け合って相談する者も数多くいたから、今のようにDVは多くなかった」ことから、そうしたコミュニティのひとつとして老人介護施設をはじめようと考えたということだそうだ。この老人介護の仕事に関係して、講演会の聴衆の一人から「介護時にセクハラ行為を受けていることに嫌悪感を持っていると発言した介護職員に対して、“性は一生もの”だ。それをちゃんと受けとめて仕事をするべきだ」と人の“生涯の性(生)”に向かい合って介護を行うべきことを指摘した経験を語りながら、人が生きるということをどう考えるのかということを聴衆に投げかけた。
最後に、子育てに関わって、「母子手帳を書くことは親子のきずなを伝える大事なもの。また、子どもを抱きしめて人のぬくもりを伝えることが大切だ。そして、相手を無視せず、語り合うことが何よりも重要なことだ」としたうえに、「毎日の生活の中で苦しいことを吐き出す場所に組合がなるべきだ」と組合への課題も提起した。