【連合高知「男女平等リーダーセミナー」を開催】
8月27日(土)三翠園において「男女平等リーダーセミナー」を開催しました。
連合高知青年委員会楠目事務局次長の司会で、講師に高知大学地域共同学部の佐藤洋子氏を招き「職場・地域での男女平等を進めるために」と題して講演をしていただきました。
まず、主催者を代表して連合高知池澤会長から「連合高知はこれまで男女平等参画推進の取り組みを進めてきたが、思うように進んでいないのが現状である。この間の取り組みが進まない要因として、各組織の上層部の考え方や意識が変わらなくてはいけないこと等が挙げられる。このようなことを踏まえて、連合高知ではジェンダー平等推進計画を策定中である。本日は、男女平等参画推進を進めるにあたり、参加された皆さんの気づきの場としたい。」とあいさつがありました。
講演の前半では、国の「女性活躍」政策を批判的に捉えながら、ジェンダーギャップ指数(世界、日本国内)の説明や女性管理職の増えない実態を調査した現場インタビューが報告されました。また、非正規雇用とジェンダーの関係性について、①非正規雇用者の推移、②雇用者のうちの非正規の割合(男女別、年齢別、収入)、③男性の従業上の地位・雇用形態別有配偶率など、グラフを使用して具体的な説明がありました。そして、国の「女性活躍」政策において、“指導的地位に占める女性を増やすこと”がある一定の男女平等の進展へつながる可能性があることを示しました。具体的には、①意思決定の場に女性が増えることで女性の意見が反映される、②女性の管理職が増えることで男女格差が解消されること等を述べました。
続いて、政府の示す第1次から第5次までの男女共同参画基本計画の“地域における男女共同参画の推進”の変遷について解説がされました。「現在の第5次基本計画は“地方創生”と“女性の活躍推進”を前面に出しており、女性が大都市圏に流出することを少子化や人口減少の観点から問題視し、そこから施策が展開されている。男女共同参画社会基本法第3条では男女の人権の尊重を謳っているにもかかわらず、“リプロダクティブ・ライツ(女性が子どもを産むか産まないかを選択する権利)”の視点が見られないことが“地域の男女平等参画”の課題である」としました。
最後に“「地方創生」のための「女性活躍」が意味するものと問題点”を報告し、テーマである「職場・地域での男女平等を進めるために」では、①意思決定の場に女性(をはじめ多様な人々)を増やすことの大切さ、②「女性の人権」を捉えた取り組みこそが、男女平等・ジェンダー平等のために必要、③「女性活躍」という言葉で想定している理想像を考えていくことが取り組みを進めていくことに繋がる、とし講演を締めくくりました。