連合高知は3月25日、高知県経営者協会に対して「物価上昇を超える賃上げ」や「労務費をはじめとする価格転嫁が適切にできる社会をめざす」ことなどをはじめとする要請書を手交したうえで、意見交換をおこなった。
連合高知からは「経済の大局的な視点に立ちながら、人手不足と物価高という厳しい経営環境にあっても、人への投資や労務費の適切な価格転嫁が企業利益を増加させるとの認識を持って、地場における賃上げの環境整備を」と申し入れた。
これに対して経営者協会は、賃上げに対して一定の理解は示しつつも、「大手の賃上げムードが地方まで波及するとまでは一概にはいえないのではないか。無理な賃上げは地場企業の存続にも関わり、結果して雇用の問題になってくるため、一律の対応は厳しい」と応えた。一方で、「価格転嫁力があるとともに円安などで高い利益を得ている大手企業と、原燃材料費等の価格転嫁が厳しい地方の企業との賃金格差が拡大し、働き手の県外流出が進むことを懸念している」と、規模間・地域間格差による人手不足の昂進に対する憂いが語られた。
価格転嫁に関しては「大手企業を軸とするサプライチェーン内は一定進んでいると思うが、それ以外はあまり価格転嫁できていないのではないか。また、消費者と直接売買する会社においては厳しい実態があるのではないか」とした。
その他、意見交換では“賃上げに資する補助金の課題”や“職場環境改善”、“雇用の県外流出問題”、“年収の壁問題”、“地域別最低賃金”などについて話し合った。